整形外科

運動器認定理学療法士「股関節」2019年度版update

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肩関節もupdateしましたが、股関節もでした…
結構ガラッと変わっていますので、
2019年度版のテスト受ける方は必見です。

臨床上勉強したいという方は、
以前バージョンをご参照ください

運動器認定理学療法士「股関節疾患の理学療法」

以前のバージョンは、「臨床上応用しやすい」
今回のは、より基礎的であり
解剖学的なところが多くなったので、その部分のupdateを中心に行なっていきます

股関節の骨構造

基本的な考えとして持っておきたいのは、

「股関節は二足歩行にはデザインされていない」

ということ。

それを持っていると解剖がググッと楽になります。

股関節は構造的に関節面が一致していない

関節でよく問題になるのは、「関節面の一致
股関節では、水平面で見ると関節面が一致していません
これが屈曲位であると全て一致します。
まだ四つ足用の関節なんですかね?

水平面から見た股関節 https://seikeigekagaku.info/cup3/

上図で見ても、股関節後面はしっかり支えがあるのに、前面はありません。
そのため、前面はかなり強固な靱帯によって支えられます。
それに寄りかかる形で、大腿骨頭が前方偏位する人も多く見られます。

上図のような構造的な大腿骨の前方への捻れを「前捻角」といい、これが大きいと、
・股関節の内旋
・knee-in
の原因となります。

評価としては、Craig’s testが有名です。

臼関節の股関節は球関節ではないので、動きに癖がある

股関節はきゅう関節ですが、球関節ではありません。


身体運動学:建内宏重

ですので、適合した状態での動きは、股関節を中心に円錐を描く形になります。

つまり、そこから外れると

脱臼しやすい…
詰まりやすい

そのため、リスク肢位は

  • 屈曲、内転、内旋 (前方インピンジメント+後方脱臼リスク)
  • 伸展、(内転)、外旋 (後方インピンジメント+前方脱臼リスク)

となっており、手術後の脱臼リスク姿勢と同一ですね。

関節唇損傷ですと、その姿勢で痛みが出ることが多いです。

骨形態異常

これは実はかなり多く見られます。
代表的なものの2つとして

  • 臼蓋形成不全
  • 大腿骨寛骨臼インピンジメントに関連する骨形態異常

があります。

人工関節の広場 http://www.hiroba-j.jp/kansetsu/hip/
股関節インピンジメント 日本医事新報社より引用

股関節を取り巻く軟部組織の機能

先述しましたが、
構造的に不安定な前方に対して、「靭帯による安定性」を補償しています。

身体運動学:建内宏重

腸骨大腿靭帯:伸展・外旋制動
恥骨大腿靭帯:伸展・外旋・外転制動

「骨頭が前に抜けるような形を制動する」という作用です。

以外に、この2つが硬くて「屈曲制限」もありますよね

坐骨大腿靭帯:内旋制動

これは深部外旋筋が入りずらかったりするときにいいですね。

また、輪帯が牽引負荷に対応するんですね。知りませんでした…

次に関節唇

身体運動学:建内宏重

これはそのままですね。
損傷があると結構不安定性が出るので、なかなか安定化が難しいです。

骨盤腔の神経

身体運動学:建内宏重

骨盤腔にはこれだけ神経がうじゃうじゃっとしています。
神経の出口での圧迫による「根症状」は有名ですが、
出口だけでなくどこで神経が障害されても神経症状は末梢に出ます。

ですので、骨盤腔が原因での関連痛は結構多いですね。

股関節のレントゲンのみかた

身体運動学:建内宏重

まず最低限、
「ここの角度を医師は気にしている」
ということを知りましょう。

そして、なんとなくの違和感を感じます。

  • 骨盤腔がどう映っているのか?
  • 左右の腸骨の大きさに違いはないのか?
  • 小転子はどう映っているのか?
  • 大腿骨頸部はどう映っているのか
    などなど

詳しくはこちらで

股関節の運動学

股関節の運動学で有名なのは、
関節の位置により役割が変わる以下の筋です。

  • 深部筋
  • 内転筋
股関節深層筋の作用の変化 身体運動学

上手のように、屈曲角度により内旋・外旋作用が変わるのは有名な話ですね。
梨状筋が股関節屈曲に伴って、外旋筋→内旋筋と変わるのは有名ですよね。

時々、側臥位で寝てて、「梨状筋のせいで痺れが出る」という話を聞きますが、
どうなんでしょうか?

股関節内転筋の作用の変化 身体運動学

こちらは「長内転筋」です。

図のように屈曲0°では屈筋。屈曲角度が上がると伸展筋として作用します。

このように、股関節周囲筋はかなり複雑に作用します。
*内転筋はまた別の話ですが…

ですので、股関節深層筋の特徴を以下に挙げておきます

股関節深層筋の特徴

  • 筋張力により骨頭を安定させる
  • 関節包の緊張を介して、骨頭を誘導する
  • 感覚器としての機能がある
    • hip cuff muscle 
    • 遅筋線維の割合が高い
    • 筋紡錘の密度が高い

特にこの「感覚器」としての機能をしっかり意識しながら治療を行うといいですよね。
肩関節の治療を行うように繊細に、微妙な動きを感じて行わないと、目的としている筋肉が働いていなかったりします。

股関節と隣接関節との関係

膝や、腰部との関連で言われるのが

  • coxitis knee
  • hip spine syndrome

色々なパターンがありますが、ここでは、
患側は、正中 or 膝外反
対側は、外反 or 内反 
の4つの組みわせが多いとされています。

臨床的には、患側は膝が外反、対側は正中からやや内反が多いのかなと感じます。
屈曲位だったりもしますね。

hip-spine syndromeはもう有名で、
特に臼蓋形成不全の人に多いですかね。

被覆を高めるために、
骨盤前傾 → 腰部伸展 での腰痛症

高齢者になると、

股関節伸展制限のための
骨盤後傾 → 腰部屈曲・膝屈曲

まぁ、色々な原因があるので、「これだ!」と決めつけないほうが無難ですが、
今回はテストなので、「こういう例が多い」と思って覚えましょう

変形性股関節症に対する理学療法のEBM

今年度は最後にガイドラインが載っていました。
ガイドラインに遵守した治療を行なっていないと(最新の知見の治療を行なっていないと)罰せられる…でしたよね。

さて、そのガイドラインでは、

Grade A (strong ebidence)

  • 各筋個別の柔軟性、筋力、持久力改善運動を用いる
  • グループでの運動療法は、もっとも重要な問題に対処するための運動を処方
  • 運動の頻度は、1~5回/週 6~12週間実施すべき
  • 可動域制限・柔軟性低下・疼痛に対しては徒手療法を用いるべき
  • 徒手だけでなく、ストレッチや筋力強化運動を加えていくべき
  • 患者教育は有用なので、行うべき

Grade B(moderate ebidence)

  • 患者教育、運動療法、徒手療法を合わせて提供するべき
  • 患者教育は、活動の変容・運動療法・減量などを含むべき
  • 運動療法やホットパックに加え、USを行なっても良い
  • 運動療法は、短中期的には有効だが、長期的には不明
  • 歩行補助具は、疼痛緩和には有効だが、病気進行予防には不明
  • THAの術前・術後リハは、心理状態の向上にも有用

Grade C (weak evidence)

  • 機能障害に基づいた機能練習・歩行練習・バランス練習を行うべき
  • ニーズに応じて個別に治療を行うべき
  • 医師や栄養士などと協力して減量をサポートすべき
  • 徒手療法、温泉療法、US療法は短期的にはいいが、病気進行予防には不明
  • FAI(大腿骨寛骨臼間のインピンジメント)に対して手術は短中期的には有用
  • 臼蓋形成不全は手術療法における成績不良の一つ

Grade F (expert opinion)

  • 第一選択に装具は用いるべきではない
  • 装具は、運動療法や徒手療法の効果を認めなかった時に用いても良い

Grade I (結論が一様ではない)

  • 装具による疼痛緩和効果
  • FAIの保存療法と有用性

まとめ

2019年度版の運動器認定理学療法士「股関節」をまとめました。
前年に比べて、解剖的な面が多いので、覚えやすいのかなぁと思います。

わかりやすく、正確に書くように心がけていますが、

読んでいて
??
と思われましたらご連絡いただければ幸いです。
therapistmasaki@gmail.com

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