前回の記事の続きです。
・電気治療は「周波数」によって異なる
・基本的に「低周波」が治療に使われる
・高周波は温熱作用
でした。
今回は、「高周波」についてです。
有名な「超音波」
最近話題の「ラジオ波」
あまり見なくなった「マイクロ波」
特に「超音波」「ラジオ波」は有用だと思うので、それらを「3分」でまとめます。
今回はまず「超音波」
高周波治療の種類
低周波の中でも、作用が違っていたように、
高周波の中でも、周波数の違いで特性が異なります。
0.3MHz ~ 0.5MHz : ラジオ波(短波)
1MHz ~ 3MHz : 超音波
2,450MHz : マイクロ波(極超短波)
27,12MHz : 超短波
と分けられます。
その中でも、治療によく使われるのが
超音波
超音波の適応と使い方
周波数による使い分け
1MHz / 3MHz で有名な超音波
周波数は波の振動数なので、
周波数が大きい方が、波事態の長さが短くなります。
そのため、1MHzの方が深部まで到達します。
その使い分けが一番有名ですよね。
1MHz
1秒間に100万回のミクロマッサージ
約6cm深部まで到達
3MHz
1秒間に300万回のミクロマッサージ
約2cm深部まで到達
個人的には、この「ミクロマッサージ」ってかなり効果的だと思います。温熱を入れながらのマッサージは超音波の醍醐味ですね。



DUTYによる使い分け
DUTYとは、超音波照射に休止時間を含むか含まないかということです。
5~100%で設定します。
100%とは、常に照射されている状態です。ですので、温熱効果(ミクロマッサージによる摩擦熱)が生まれるので、主に慢性疾患に使用することが多いです。
超音波治療特有の「音波痛」という骨にぶつかっての痛みが出現しやすいので、その時はDUTYを下げます。



DUTYを下げると、温熱作用が発生しずらいので急性期から使用することができます。
急性期は30%までに留めておくべきと言われています。炎症を助長してしまってはいけませんからね。
同士の動かし方
導子の動かし方にはコツがあります。
研究結果で言われていることですが、
・筋、腱の走行に対して直角に動かすと、固定照射に比べて吸収が3.3倍高まる
・筋、腱の走行に対して平行に動かすと、固定照射に比べて吸収が1.3倍高まる
と言われています。
臨床上、効果があると思ったのは、
・筋や腱をストレッチした状態で照射すると効果的
・筋緊張の緩和を目的とする場合は、筋の起始部・停止部を交互に照射する
といったところでしょうか。
ストレッチした状態での照射は本当に効果が違うので、ぜひ試してみてください。
超音波に期待される生理作用
1:血管拡張作用
2:鎮痛効果
3:筋緊張緩和
4:治癒促進
となります。やはり「温熱効果」と「組織へのミクロマッサージ効果」はかなり有効であると考えられます。
超音波を照射してはいけない部位 禁忌
- ペースメーカーを装着している方(ペースメーカーを加熱したり誤作動が発生する可能性)
- 知覚障害がある方(過量の照射をしてしまう恐れ)
- 悪性腫瘍
- 重篤な血管疾患(心不全や血栓性静脈炎など)
- 成長骨端線
- 妊婦さん
- 眼球、脳、生殖器
- 脊髄疾患
- 合成樹脂や関節セメントが留置されている場所(人工関節など)
まとめ
超音波の使い方について記事にしました。
Hzにより、照射ターゲットの深部を使い分けることができ、
DUTYにより、温熱か非温熱、負荷量をコントロールできます。
また、導子の動かし方を工夫することで、対象となる部位への生体反応を高めることもできます。
これに前回記事にしたHVを付与すると、とんでもなく使える代物になります。
Dr.と相談し、それぞれにベストな方法でアプローチできるようにしましょう。