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運動器認定理学療法士「股関節疾患の理学療法」

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認定理学療法士
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続いて股関節疾患の理学療法
講師は 広瀬整形外科リウマチ科の永井 聡先生です。

基本的には講義内容を
少しだけ自己解釈も入れるかもしれません

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股関節の構造的な特徴

股関節は、

  • 寛骨臼(骨盤の一部)
  • 大腿骨

から作られる関節です。

新百合ヶ丘総合病院のHPより引用

上図のようにまっすぐではありません。

寛骨(骨盤側)の関節面は、
前・外・下に向いており、関節唇が大腿骨頭の半分を超える位置まで包んでいます。

大腿骨側は、
・頚体角
・前捻角
という角度がついています。
前捻角というのが少し分かりづらいと思うのですが、
字の如く、前に捻られている角度です。

前捻角が過剰で、関節不安定性を作っている患者さんは結構います。
上の図をみてもらうとわかると思うのですが、股関節は基本的に前方に不安定です。

前捻角が強い真ん中の絵を、みてもらうと、前にずれちゃいそうですよね?
それを避けるために、股関節を内旋方向へ持って行っている患者さんも多いので、

おや?いやにknee inさせる人だな?

と思ったら、チェックしてみるといいと思います。

レントゲン画像から見られる股関節の評価

では、股関節をレントゲンから見ていきましょう。

レントゲン撮影の肢位について
レントゲン撮影の肢位について 前回はRadiolucent Lineを紹介しました。 レントゲンからはたくさんの情報が手に入ります。ただしオーダー通りの肢位で撮影されたレントゲンでなければ正確に読み取れない事も多いです。 今回は股関節のレン

このサイトが分かりやすいですね。

まず股関節の正面像です。

https://seikeigekagaku.info/hip-xray/より

簡単なポイントは5つです

  • 閉鎖孔の大きさ
  • 骨盤腔の形
  • 小転子の形
  • 腸骨の形
  • 骨棘の状態

レントゲンから骨盤の前後傾を確認

100%ではありませんが、まず、レントゲンから骨盤の前後傾をチェックできます。
ポイントは

  • 閉鎖孔
  • 骨盤腔

の2つです。

骨盤が前傾していれば、
・閉鎖孔は小さくなり
・骨盤腔は丸く大きく映ります。

レントゲンから大腿骨がどうねじれているか(股関節の内外旋)

レントゲンから、股関節の内外旋も予想することができます。

チェックするのは「小転子」

https://seikeigekagaku.info/hip-xray/

図のように、
・小転子が隠れていると、内旋位
・小転子が大きく写っていると、外旋位

と予想することができます。

立ってレントゲンを撮るのか?寝てレントゲンを撮るのか?
で変わってきてしまいますが、

普段、どういう姿勢を取っているのか?

を割と正確に知ることが可能です。

レントゲンから骨盤の左右差、回旋状態を予想する

また、骨盤(腸骨幅)から骨盤がどういう状態になっているのかを予想します。

一般的には、左右の腸骨の大きさはだいたい一緒ですよね?
なのに、レントゲン上大きさが違う場合があります。

そういう時は、小さく見える腸骨側が前に出ている
つまり、前方回旋していると考えられます。

レントゲンから見る股関節の骨棘の評価

股関節に生じやすい骨棘

上記のように、股関節には骨棘ができやすくなります。

1:roof 6::floorは分かりやすい骨棘です。関節面を広くしてくれています。
2・5は大腿骨の肥厚ですね。
3:capital dropは、大腿骨側の骨棘です。
大腿骨が左上にずれていくので、その摩擦応力による骨棘になります。

骨棘ができる形は

  • 摩擦応力がかかる場所に、関節を広げるような形で
  • 関節包や筋肉の付着部が、引っ張られるような形で

と覚えておけばいいでしょう。

あと、ここは基本ですね

股関節障害からの隣接関節障害

どこかに障害を生じると、それの影響で周囲の障害や痛みを生じることになります。
分かりやすい例で言えば、

腰椎の椎間固定術後、その上部・下部の椎間に障害を生じる

ことは有名です。

同様に、

  • 股関節の障害からの隣接関節の障害
  • 隣接関節の障害からの股関節の障害

が2つ命名されています。

coxitis knee

Smillie(1974)らの報告が原点です。

coxitis knee Lower Limbs Alignment in Patients with a Unilateral Completely Dislocated Hip  someya  新臼蓋
coxitis knee Lower Limbs Alignment in Patients with a Unilateral Completely Dislocated Hip someya  臀筋内脱臼

上記のように、新臼蓋を形成したグループと、臀筋内脱臼を生じているグループでは膝のアライメントが異なります。
股関節のアライメントが膝のアライメントに与える影響は想像しやすいですよね。

個人的には、

股関節が内旋の方が、股関節自体の関節安定性が得られる反面、
突き上げによる痛み、膝関節への痛みが生じやすい印象があります。
上記でいうと、[windswept deformity]が結構やっかいですね。

hip-sipne syndrome

1983年にMacNan / Offierskiにより提唱された概念です。
これはもう一般的ですね。

  1. 加齢による脊柱後弯
  2. 骨盤後傾 (骨頭被覆の減少)
  3. 骨頭・臼蓋への圧集中
  4. 変形性股関節症

この骨盤後傾というのが、
臼蓋の単位面積当たりの応力を増加させてしまいます。

股関節内旋位だけど、骨盤後傾位

という人は、痛みが強い印象ですね

脚長差測定のコツ

ここで挙げていただいているのは
「SMD」検査のコツです

  • ASIS触診で骨盤の傾斜を推察
  • 骨盤の前傾が強いと、ASISが強く出て、下方を向いている
  • 股関節伸展制限が強い側の骨盤が前傾しやすい
  • 前傾が強い腸骨のSMDは短くなりやすい
  • 両側のASISを触診して形状が異なる場合は、腸骨の傾きも異なっている可能性がある

ということです。
やっぱり観る視点はたくさんありますね。

個人的には

実際の脚長差がある人が多い

と思います。
なので、SMDに加えてTMDを計測するといいのかなと。
そうすると、

  • 実際の脚長差の影響
  • 骨盤を使っての代償の影響

をより詳細に推察できますよね。
そうなってくると、

  • 膝のアライメント
  • 膝の関節裂隙
  • 下腿の捻れ
  • 足のアライメント
  • 距骨下関節の状態
  • 前足部の状態

などなど出てきてしまいますが…

また、脚長差は色々な姿勢で検査しましょう。
やってみると分かりますが、結構結果が違いますよ

寛骨・大腿骨の骨量構造

骨は

  • 圧縮応力
  • 引張応力

で変化していきます。

骨の出っ張る場所をみると、そこに筋肉がついていますよね?

それでは、股関節の骨梁構造を見てみましょう。

rehatora.netさん

分かりやすいです。
主圧縮骨梁は大腿骨頭を上下に
主引張(張力)骨梁は、大腿骨頸部をアーチ状に横断します。
この間のwardの三角という部位は、脆弱な部分となります。

骨粗鬆症となると、どんどんと骨梁が減ります。

最終的には主圧縮応力しか残らないのが分かりやすいですね。
体重をかけるため、圧縮応力が保存されやすいです。
引張応力ラインの骨密度が減っているのは、「筋肉による制御」を行わなくなってしまっているためだと思われます。
そして、引張応力に対しての骨梁が脆弱になると、中臀筋をはじめとする股関節周囲筋が働きづらくなってしまいます。

大腿骨頸部骨折

大腿骨頸部骨折は高齢者に多い4つの骨折のうちの一つです。

  • 大腿骨頸部骨折
  • 脊椎圧迫骨折
  • 橈骨遠位端骨折
  • 上腕骨頸部骨折

骨粗鬆症が原因の一つとしてあるので、
男女比だと女性に多くみられます。

また、大腿骨頸部骨折も、関節包の中or外で2つに分類されます。

大腿骨頸部外側骨折

関節方の外側の骨折です。
外骨膜に覆われている部分の骨折なので、

  • 循環動態がよく
  • 骨も癒合しやすい

という特徴があります。

上記のように、骨折のグループによって、手術形式が異なります。
やはり、安定型か不安定型かによって、変わってくる感じですね。
evansの2か?3か?が変わり目ですね。
あとは、小転子がどうなっているか?
小転子が飛んでしまっているときは、ワイヤーで固定させたりすることもあります。

大腿骨頸部内側骨折

次は
関節包内の骨折である「内側骨折」です
特徴は

・循環動態が悪く
・頸部にある回旋動脈を損傷しているとさらに悪く
・壊死や骨頭の陥没、偽関節の危険性がある

ですので、

関節包内か?関節包外か?
というのは予後予測をする上で非常に重要です。

gardenの分類でもⅡか?Ⅲか?が大きな分かれ道です。
主圧迫骨梁の連続性が保たれているような、骨折部に離開がない場合は、人工骨頭は免れるとのことです。

ただ、最近の人工骨頭は技術が上がっているので、

  • 脱臼リスクの減少
  • 耐久性の増加
  • 骨壊死などの合併症リスクの存在

を考えると人工骨頭をはじめっから選択するケースも多いようです。
確かに、人工骨頭後のリハビリでも、昔に比べて強い拘縮や脱臼は聞かなくなりましたね。
*現在、人工骨頭を入れてから30年前後経過している症例も増加しています

…まぁ手術するDr.によるんでしょうが…

大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭、THAについて

先ほども軽く触れましたが、近年の人工関節は進化してきています

  • 摺動面の改善(関節部)
  • ショートステム
  • 骨頭径の拡大
  • 脱臼率の低下・可動域の改善

などが変化しています。それに伴って、THAも

  • 入院期間の短縮 5〜14日
  • 手術時の年齢はあまり関係なくなった
  • 軽症例でもTHA施工
  • 軽症例であれば、術後リハ不要
  • 外来リハが行われなくなってきた

と変化していっています。
術後患者の特徴としては

  • 下肢の浮腫が強い
  • 二関節筋の緊張が高い
  • 伸展制限・内転制限が多い
  • 外転位荷重となりやすい
  • 上肢と下肢の相反した動きが出にくい
  • 単関節筋の収縮が悪い
  • 歩容の改善が悪い

という特徴を挙げていました。
*確かに、内転位拘縮は多い気がしますね…
 ステムの長さの影響ですかね?

股関節手術における人工関節のリスク

股関節の人工関節「脱臼リスク」

脱臼はだいぶ減ったと思います。
私も、10年くらい前に1度聞いたことがありますが、それ以後は聞きません。
一般的には手術様式により

  • 後方侵入であれば、屈曲~内転~内旋の複合動作
  • 前外側侵入であれば、伸展~内転~外旋の複合動作

で脱臼リスクが高いと言われています。
内転位拘縮は、この脱臼リスクを下げることにも一役買っているかもしれませんね。

股関節の人工関節「DVT/PE(深部静脈血栓/肺血栓塞栓)リスク」

侵襲性の高い手術であれば、どうしてもDVTのリスクは出てきてしまいます。
対応策として以下のものが挙げられています。

  • 弾性包帯/弾性ストッキングの着用
  • 足関節の底背屈運動
  • 予防的に抗凝固剤の服薬

股関節の人工関節「再置換術に至る原因」

  • 緩み (手術手技・肥満・若年性・骨粗鬆症)
  • 骨溶解 (擦れによる削りカス)
  • 骨折
  • 感染
  • 人工関節の破壊
  • 脱臼
  • 金属アレルギー

股関節の人工関節の疼痛評価

ステムの緩み
・体重をかけた時の大腿遠位、膝の疼痛
・椅子からの立ち上がり時に強いが、歩くと改善
・膝の前内側部の痛み

感染
・突然の激しい痛み

まとめ

少し長くなりましたが、運動器認定の「股関節の理学療法」をまとめました。

  • まずはレントゲンで大体の位置関係を把握する(CE角・sharp角・閉鎖孔・骨盤腔・小転子・腸骨稜)
  • 骨棘のチェックも必要。どこに圧縮ストレス・摩擦ストレスがかかるかどうか?(roof/capital drop)
  • 股関節は周囲関節と影響を相互に与えやすい(coxitis knee / hip spine syndrome)
  • 骨梁構造は引張骨梁より、圧縮骨梁が最後まで保存
  • 近年の人工関節変化(摺動面の改善・ショートステム・骨頭径拡大・脱臼率低下・可動域改善)
  • 近年のTHA(浮腫強い・二関節筋の緊張高い・伸展/内転制限・外転位荷重・上肢と下肢の相反した動きが出づらい・単関節筋の収縮が悪い・歩容の改善が悪い)
  • 再置換術に至る原因(緩み・骨溶解・骨折・感染・人工関節破損・脱臼・金属アレルギー)
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